延長戦が濃厚かと思われた中、試合が動いたのはすでにアディショナルタイムに入っていた後半41分だった。聖望学園は相手ディフェンスのクリアミスを拾った塚田がドリブルで深くまで侵入すると、グラウンダーのクロスにそのわずか2分前に投入されたばかりの森田が右足で合わせて劇的決勝弾。1−0で勝利した聖望学園が新人大会では初のベスト4進出を果たした。
「苦しかった。やっぱり楽じゃないですね」と聖望学園・山本昌輝監督。「前半はかなり本庄第一の圧力が高かったので、うまくいかない場面が多かった。でもこういうゲームを取れたというのはひとつ自信になる」と、この難局を制したことが選手の自信になることを期待した。
選手たちの中にも前半を0−0で終えれば、後半は点を取れるという共通認識があるという。主将の石川は「前の5枚はみんな足元があって、個性もあって、強い。後半は絶対に前線が点を取ってくれるという自信があった。延長にいくかなとも思ったんですけど、オフサイドになった点もあったので、絶対にいつか決まると思ってプレーしていました」と試合を振り返った。
準決勝は2度目の優勝を狙う正智深谷高校とのカードとなった。「正智とは去年の新人戦1回戦で負けて悔しい想いをしたので、しっかりとあと1週間良い準備をして勝ちたい」と石川。“正智喰い”となればいよいよ本格的に今年の本命候補にその名を挙げてもいいかもしれない。