9月20日、見事な秋晴れの中、第94回全国高等学校サッカー選手権大会の東京都大会2次予選2回戦の都立小松川と東京実業高校の試合が行われた。東京学芸大附を6-2で破り波に乗る都立小松川と2回戦から登場の東京実業の一戦。
両者共に試合開始前の円陣から気合たっぷりで試合に臨んでいた。特にチーム一丸となって、声を合わせる姿にはこの一戦にかける想いと、チームの伝統を感じさせた。
立ち上がりと共に両者はエンジン全開で相手にプレッシャーをかける。どちらも4-4-2の布陣だが、強烈な両サイドハーフを抱える都立小松川に対し、ツートップとトップ下の強力なトライアングルに空いたスペースを見逃さない変幻自在の東京実業の攻撃はどちらも目を見張るものがあった。
先にゴールに迫るは東京実業、前半5分、FW9番安藤雄祐のトリッキーなヒールから、MF10番荻原陸の絶妙なスルーパス。これを受けたFW14番黒川滉揮がシュートを放つも枠は外してしまう。波に乗る東京実業、前半9分、ショートカウンターからボールを受けたFW11番栗田マークが力強いドリブル突破からシュートを放つもこれもゴールにはならず。
一方の都立小松川は前半9分、カウンターから左サイドでボールを受けたMF11番工藤翔太が自分で仕掛けシュートまで行くもこれは枠の外。都立小松川はこの11番工藤の左サイドの仕掛け、右サイドからリズムよくカットインを見せるMF16番加藤諒太、またこれをリンクさせるMF14番中島祐太の働きが目立つ。
対する東京実業は平均的に全体の能力が高く、力強さと巧みさを兼ね備え攻撃を引率する11番栗田14番黒川のツートップ、またこれを操る司令塔MF10番栗原陸、さらに空いたスペースを使うMF9番安藤は足もあり左サイドで受けた時は幾度も相手に脅威を与えていた。
迎える前半16分、絶好の位置でフリーキックのチャンスを得た東京実業はDF4番境亘平が強烈なシュートを放つも、これはバーを直撃。続く前半20分、MF8番朝日凱大、MF10番荻原と繋ぎ、スルーパスを受けたFW14番黒川がシュートを放つ。しかし、これは惜しくもゴール右にそれる。
さらに前半26分、DF5番松浦琢人から受けたパスをMF8番朝日が巧みにターンからの振り向きざまのシュート。しかし、これはふかしてしまう。
東京実業のチャンスが続く中、都立小松川DFラインの要3番山口貴13番大橋拓登が体を投げ出しながら耐えていた。また、左サイドDF6番菅谷光もかなりのハードワークを強いられる中、自分達のエースである11番工藤にボールを繋いでいた。
耐える時間が続いたが、前半30分絶好のチャンスを小松川が迎える。右サイドへ大きく展開し、フリーでボールを受けたMF16番加藤がクロス。これに中が入っていくもギリギリの所でボールに触れることは出来ず。
前半40分東京実業、DF4番境からボールを受けたDF5番松浦がシュートを放つもこれはGK林佑亮のファインセーブにあいゴールならず。
ここで前半終了。チャンスの数では東京実業が上回るもゴールに結びつける事は出来ない。都立小松川も決定的なチャンスを作っているので、後半どちらも先に点を奪いたいところである。どちらも選手の技術を活かしてボールを奪ってから3,4本のパスを繋いだショートカウンターが目立ったが、前半40分東京実業が見せつけた攻撃ではパスを10本以上繋ぎ相手を押し込んでいた。攻撃のバリエーションで上回る分東京実業が有利か。