10日、第94回全国高校サッカー選手権埼玉決勝トーナメント1回戦、八潮対慶應志木の一戦が開催。共に1次予選を勝ち上がった両校の対峙、埼玉スタジアム2○○2第4グランドを舞台に12時ちょうどのキックオフを迎えた。
今夏の総体県予選では1回戦で強豪・浦和東と対戦した慶應志木。惜しくも敗れはしたものの、接戦を演じその実力を十分に知らしめた。激闘から約4か月、さらなるレベルアップを経て迎えたこの日は、立ち上がりから落ち着いたボールポゼッションを披露。最終ラインから丁寧に攻撃を組み立て、サイドの攻略を糸口に好機を探った。
そんな慶應志木のファーストチャンスは2分、DF郡山創のCKからFW栗野稜平がヘディングシュート。抜群のタイミングで放たれたこの試合1本目のシュートはわずかにバーの上をかすめたが、漂う先制点の匂い。すると迎えた12分、CKからファーサイドで合わせたDF岡野正宏のシュートは八潮DFに阻まれるも、最後はDF田村航輝が押し込みネットを揺らした。慶應志木が攻勢の続く時間帯に先手を奪う。
一方、1点のビハインドを背負った八潮に焦りの色は見られない。
立ち上がりこそDFラインを中心にやや不安定さを露呈したものの、徐々に立て直しを図ると、攻撃面でもアグレッシブな展開が増える。28分には、途中出場のMF長田珠輝が右サイドをワンツーで突破しシュータリング、さらに33分にはFKのこぼれ球をMF鹿島歩夢が狙うなどチャンスが続いた。
攻撃の応酬が続く中、スコアを動かしたのは慶應志木得意の“飛び道具”。
前半終了が迫る37分、先制点同様またもやCKから追加点。今度はFW栗野稜平が頭で仕留めネットを揺らした。長身選手が並ぶセットプレーのチャンスを確実に活かした慶應志木が2点のリードを得てハーフタイムを迎える。