福知山成美vs久御山(写真=雨堤俊祐)
敗れた久御山の大溝雄太監督は「一番悔しい負け方」と唇を噛んだ。ボール支配率で上回り、ゴール前まで攻め込む場面を何度も作りながら得点を奪いきれず、逆にミス絡みから2失点を許してしまった。中盤で攻撃を司ったMF津田向陽(3年)は「守備陣がサンデーを抑えてくれていたので、中盤は自分と久保奏人でゲームを作れていた。後半に追いつかれた後も『崩されたわけじゃないので落ち込む必要はない』とみんなで話していた。ただ、心の余裕が少し無くなったかもしれない。ボールをつなげない時間帯もあった」と振り返り「チャンスを作るところまではいけていた。決めるところを決め切れなかった」と悔しがった。
今年は多くのチーム同様に、久御山もコロナ禍で難しいチーム作りとなった。夏は遠征に行けず、府外のチームとの練習試合が禁止された時期もあった。それでも指揮官は「この学年は練習や紅白戦からバチバチやって、お互いを高めあっていた。そこは救いでした」と話す。キャプテンのDF加藤史也も「一人ひとりが勝ちたい気持ちが強い。練習でヒートアップすることもあったけど、それも負けたくないから。そうして高めあってきました。選手権でも、もっと上へ行けると思っていた」とベスト8敗退に悔しさをにじませた。
福知山成美は守備で耐える時間が長かったが、集中力を切らさずに勝利をつかんだ。キャプテンのMF福田陸人(3年)は「前半は先制されて、他にもピンチがあったけれど、後半の早い時間に追いつけたので雰囲気がよくなった。久御山は技術があるので、我慢強く対応しようと話していました」と話した。ボールを持たれる展開は想定内。その中で相手のドリブルやパスを警戒し、ボールを奪ってからのカウンターというゲームプランを遂行した。
そのカウンターの先鋒となったサンデーは「久御山、とてもつよい。とても集中していた。マークが2~3人いたので(自分1人で)ドリブル(で敵陣へ攻め込むの)は無理」と孤立しがちだった前半は苦しんでいたが、後半はサポートに付く味方が増えたことで攻撃のペースが生まれ始め、相手ゴールに迫る場面も増えていった。八尋が「前半は(ロングボールで)単発のカウンターになっていたので、後半はボールをつないで味方が攻めあがる時間を作りながら、サンデーにボールを入れていこうとしました」と話すように、攻撃の修正が上手くいったことで試合の流れを変えて逆転勝につなげた。
▽第99回全国高校サッカー選手権京都予選
第99回全国高校サッカー選手権京都予選