興國vs大阪桐蔭

 後半に入り興國はポストプレーに強い19番FW野勢日向太を投入。FW野勢へのロングボールから横浜Fマリノス内定の10番FW樺山諒乃介がボールを触るゾーンが前半よりも前になったことで、少しずつ攻撃にバリエーションが増えていく。サイドではこちらも横浜Fマリノス内定の7番FW南拓都のドリブル突破などで大阪桐蔭のブロックを崩していく。ビルドアップの場面でも中盤の6番MF富田柊弥が前を向いてボールを受ける回数が増え、サイドと中央を攻略することに成功。しかし大阪桐蔭CBのカバー力と1人1人の球際の強さであと一歩の決定的なパスを全て阻止。外からのクロスは1番GK板敷洸大の判断が良く、難なくキャッチ。大阪桐蔭は途中から入った17番FW今井瑠偉の左足ミドルなどがあったもののなかなか攻撃のチャンスは作れず。しかし最後まで集中力を切らさなかった守備陣が踏ん張り、勝負はPK戦へ。興國の横浜Fマリノス内定の1番GK田川知樹が2本のPKをストップ。キッカーも全員が成功した興國が3-1で勝利した。

 興國の内野智章監督は試合後「前半の最初はいつも出ているFW(ツエーゲン金沢内定の杉浦力斗)がいないこともあり、左右のバランスが良くなく、右に偏る場面が多かった。前半引水を終えてからのビルドアップはよかったと思う」と語った。

 大阪桐蔭の永野悦次郎監督は「キャプテンなどが入試でいない中、残り組でよく頑張ってくれた。チームとして頭脳プレーでボールを奪うところは大事にしている部分なので、選手が自分で考えて奪う守備というのはよく出来ていたと思う」と試合を振り返った。

(文・写真=髙森詠人)

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