神戸星城vs市立尼崎(写真=森田将義)

 「点差を広げて、サブ組を交代で試合に出そうと皆で話していた」(藤井)市立尼崎にとっては理想的な試合展開で、後半からは7人が途中出場でピッチに立った。後半9分にはPAの左外から藤井がゴール前に入れたパスをMF長綱優(2年)がシュート。25分には左を攻め上がったDF山田彗矢(2年)がシュートを放つと、こぼれ球をMF岡本将宗(3年)が反応したがサイドネットに終わった。

 対する神戸星城は主力の怪我や3年生の進路指導のため思うようなトレーニングができないまま今節を迎えた。「掲げる理想に拘りすぎて、変にはまってしまった」と柏木佑介監督が振り返った通り、後方からパスを繋ごうとするも上手く前に運べず立て続けの失点でリズムをつかめないまま試合が進んだ。それでも意地を見せ後半36分にはMF利國羽琉(3年)のパスから、FW長谷川怜皇(2年)がゴールを狙ったが、再びクロスバーに嫌われた。すると、試合間際に市立尼崎のFW金髙晴哉(3年)に5点目を許し、タイムアップを迎えた。

 今年の市立尼崎は3年生が入学するきっかけとなったインターハイは中止となったが、その分選手権にかける想いは強い。ハマった時の攻撃力はこの日の得点力で実証済み。試合ごとの波が無くなれば冬の躍進も十分にあり得るはずだ。

(文・写真=森田将義)