昌平Ⅱ vs 市立浦和(写真=河野正)

 まず1点を返したい市立浦和だが、サイドに展開した長いボールはわずかに受け手と合わず、中央から運んでも相手の厳しいプレスに遭って効果的な攻めに持ち込めなかった。前半の好シュートは、6分にMF吉永光助(2年)が放った中距離砲の1本だけ。大半の時間帯で守備に追われる45分間だった。

 後半に入っても半ばまでは昌平Ⅱのペースで進み、10分には早くも3点目を奪う。後半開始から出場したFW平叶大(2年)が、MF三浦悠代(1年)の左クロスをヘッドで合わせた。19分にも交代出場したばかりのMF坂郁弥(3年)が、FW伊藤風河(3年)のパスを預かってから決め決定的な4点目を挙げた。

 市立浦和は前半途中から次々と選手を入れ替え、戦況の打開を狙った。後半は見違えるように得点機を膨らませ、エースFW林隆希(3年)が2本、八木下岬と小林奏太(ともに3年)の両ボランチも積極的に攻め上がってシュートを放った。しかし枠を捕らえた決定打にはならず、相手の守備ラインを崩し切る形もあまりなく無得点に封じ込まれた。

 大野恭平監督は「7月に入って2連勝し、チーム状態も良くなってきたが、昌平のうまさにやられました。攻めればカウンターを食らい、(ラインを)引いても崩された」と脱帽。主将の八木下は「守備のやり方をチームで統一できなかったし、横への揺さぶりなどが足りず攻撃も単調になってしまった」と完敗を認めた。

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