中盤で攻守に渡りハードワークし勝利に貢献した昌平ⅡのMF田尻匡平

 後半に入ると、昌平Ⅱはディフェンスラインから丁寧にビルドアップしつつ、機を見て前方のスペースに縦パスを通して攻め込んでいく。

 一方の正智深谷も速い縦パスでDFの背後を突いていくと、後半11分には敵陣でルーズボールを拾った大石が、GKが前に出ているのを見てロングシュートを放つ。しかし、これは相手GKのパンチングで弾かれた。

 後半32分にも正智深谷のチャンス。FKの流れから守備陣の裏に抜け出したFW16横堀翔(3年)がGKと1対1のシーンを迎えるが、シュートは枠から逸れてしまう。

 このピンチを凌いだ昌平Ⅱに今度は決定機が訪れる。後半34分に左サイドのクロスに合わせてFW10伊藤風河(3年)がオーバーヘッドで枠を捉えたが、ここは相手GKのファインセーブにあい得点には至らなかった。

 そしてスコアが動いたのは、スコアレスのまま迎えた後半42分。伊藤がゴール前でこぼれ球を押し込み、昌平Ⅱが土壇場で先制点を決める。

 その後、昌平Ⅱはこの1点を守り抜き、接戦を制してみせた。目前で優勝を許さない意地が表われた会心の劇的勝利だった。

 昌平Ⅱは首位を奪還した状態で最終節(市立浦和戦)を迎える。一方で後塵を拝すことになった正智深谷は成徳深谷戦との最終戦で逆転優勝を目指す。