推進力のある履正社を、最少失点に抑える(写真=田中紘夢)

 PK戦での主役は岩崎だった。「キッカーの蹴り方や助走の入り方は、前日に映像で確認していた」。その準備が功を奏する形で、履正社の2人目・MF名願斗哉(3年)のキックを横っ飛びでセーブ。湘南工大附は5人全員が成功し、激闘を制した。

 「(相手が)上手い、速い、強いというのは分かっていた。チーム全員でやることを共有しながら戦えたので良かった」と守護神。ディフェンスリーダーの三浦も「サポートメンバー、ベンチメンバーも含めて全員で戦っていた」と胸を張る。

 プレミアリーグWESTに所属する履正社に対し、室井雅志監督は「昨日の神村学園(鹿児島)との試合を見ても、なかなか勝機を見出せなかった」と明かす。そこで打ち出した対策は、距離を詰めて粘り強く戦うこと。三浦を軸にハードワークとコミュニケーションを絶やさず、70分間集中を切らさなかった。

 「今日(履正社と)やらせていただいたことで、チームとして基準を上げていってほしい」。今後に向けての大きな財産を得られたが、まだ大会は終わっていない。1981年以来のベスト4を懸けて、湘南工大附は準々決勝では米子北(鳥取)と対戦する。

(文=田中紘夢、写真=田中紘夢、会田健司)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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