大津 vs 昌平

 序盤こそ篠田が左サイドをドリブルで仕掛ける場面が目についたが、時間の経過と共に攻撃途中でボールを失う回数が増えていく。対する大津も思い切った攻撃は少なく、その理由について敵将である山城朋大監督はこう振り返る。「僕らが少し昌平の攻撃を警戒していたのもありますし、おそらく向こうもリスペクトしていただいた。ベスト4をかけた試合でお互いに力もあるので、なかなかなお互いの良さを出し合うゲームにはならないと思っていた」。

 2回戦からの登場となった大津に対し、昌平は1回戦から。4試合目という疲労も見え隠れする中、16分には思いがけないアクシデントも襲う。左CKを競り合った際に4番DF津久井佳祐が足首を痛め、交替を余儀なくされた。チームメイトが絶対的な信頼を寄せる主将の離脱に動揺は隠させなかったが、「いつも佳祐に助けられている分、残された俺らでやろうと意思統一できていた」(1番GK上林真斗)。クーリングブレイク明けの23分には相手エリアの左でFKを獲得すると、10番MF荒井悠汰がゴール前に蹴り込んだボールがオウンゴールを誘い、先制にした。

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▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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