後半7分にはCKから19番FW山下基成が決定的なヘディングシュートを放ったが、ゴールカバーに入った長がヘディングでクリア。以降も大津が左右からのクロスとリスタートで昌平に襲い掛かったが、「僕がやらなければいけないと思っていました。全体は俺が行くからゴールカバーは頼むといった感じでした」と話す上林が積極的にハイボールにチャレンジし、ゴールを割らせない。終盤は6番MF浅野力愛のシュートがバーに当たるなどヒヤリとする場面が続いたが、粘り強い対応によって、昌平が1-0で勝利した。

 粘り強い守備で1点を守り切ったのは収穫だが、昌平らしい攻撃ができなかったのは課題。「今日は終わった後、ここに来て初めてしっかり締めました」と藤島監督は口にする。ただ、課題は伸びしろであるのも間違いない。「勝って次に繋がったのは良かったですが、逆に言えば内容的な部分は彼らも満足をしている状況ではない。満足していない状況が次に繋がる」。指揮官の言葉通り、3年前を超えても満足していない選手たちは、今日の課題を残りの2勝に繋げるつもりだ。

(文・写真=森田将義)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)