徳島市立 vs 徳島商(写真=柏原敏)

 両者、次の1点が試合展開を大きく左右する状況に発展。

 13分、徳島商はFKのこぼれ球から決定機を迎える。しかし、朝比奈の枠を捉えたシュートは徳島市立の守護神GK藤澤芭琉に右手一本で阻まれる。その後も攻勢を強める徳島商。CKの守備時も前線には3枚を残すなどして前傾姿勢で意思表示。

 しかし、徳島市立は2点目同様に、その前がかりな徳島商のベクトルを裏返した。スローインの延長で起きた混戦からこぼれ球を回収し、主将・MF織田大翔が浮き球のスルーパスを供給。そのメッセージに応えてスペースへ抜け出した鈴木が、徳島商のDF陣に対応されながらもストライカーらしい駆け引きの末に試合を決定付ける3点目。まだ1年生とは思えない素晴らしい一連の動きだった。

 これで安心のリードを得た徳島市立。熱気に包まれた会場の後押しも受け、畳みかけるように3得点を追加。大量6得点で全国行きの切符を手に入れた。

(文・写真=柏原敏)

▽第101回全国高校サッカー選手権徳島予選
第101回全国高校サッカー選手権徳島予選