芦屋学園 vs 滝川第二(写真=森田将義)

 これまでは相手チームを対策し過ぎた結果、自分たちの持ち味を出せずに終わるゲームが続いてきた。今回も準々決勝を終えてから、これまで通り滝川第二対策を踏まえたトレーニングを進めてきたが、コーチと話す中で許監督は違和感を頂いた。「待てよ、俺たちらしくないぞ思ったんです。言い方は変ですが、そこまで俺たちは滝川第二をリスペクトしすぎていた。俺たちはそんなに弱いのか?違うよなってなった」。 

 元々、今年の3年生はインターハイで準優勝した2019年のチームを見て、門を叩いた実力者が多く、力はある。相手を意識するのではなく、自分たちらしく戦えれば十分勝機はある。立ち上がりからアシガクらしくアグレッシブに高い位置から奪いに行く姿勢を披露。奪ってから素早く攻撃に移行すると前半6分にはFW18高岡快斗(3年)の右クロスをMF11倉光諒(3年)が頭で合わせて、先制に成功。18分には、右サイドから入れたDF4柏木雄太(3年)のロングスローが弾かれたこぼれ球をMF6岩井大将(3年)が押し込み、リードを2点差まで広げた。 

 「あまり予想はしていなかった。まさか2点入るとは思っていなかった」。MF7大島尚也(3年)がそう振り返るほど幸先の良すぎるスタートは、芦屋学園の歯車を少し乱したのも事実だ。インターハイのベスト16で負けてからは勝利を意識せず、自分たちがやるべきことを徹底するようにしてきたが、どうしても気持ちは勝利に傾き、アシガクらしさが失われていく。 

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