初優勝した岡山学芸館。県勢として初めて岡山の地に優勝旗を持って帰ることに(写真=矢島公彦)

 それでも25分に一瞬の隙を突いて先制に成功。田口のパスを受けた今井が右サイドを持ち上がって低弾道のクロスを上げると、クリアに入った相手DFのオウンゴールを誘発した。

 もっとも前半の岡山学芸館は、2トップを狙った縦パスを上手くつなげられず、ほとんど決定機を作れずにいた。東山に攻め込まれる時間が続き、前半終了間際の44分には、右サイド(東山の左サイド)北村にクロスを許すと、真田の豪快なダイレクトシュートを浴びて同点ゴールを許した。

 岡山学芸館が息を吹き返したのは後半に入ってからだ。持ち前の素早い切り替えとハードワークがようやく機能し始める。

 生命線でもあるトップ下の田口、2ボランチの山田と木村の素早い囲い込みから攻撃の機会を増やしていった。

 岡山学芸館の高原良明監督は「前半は単調なボールが多く、相手にボールを支配される時間が続いたので、ハーフタイムに『後半はもう少しマイボールの時間を増やしてサイドから攻撃を仕掛けていくように』と指示をした」という。

 この修正が奏功。52分、左サイドを駆け上がっていたSBの中尾へ田口からのパスが通ると、その中尾からのクロスに合わせて木村がジャンプ一番。豪快なヘディングで勝ち越しゴールを奪う。

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▽第101回全国高校サッカー選手権
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