東山も堂々たる戦いを披露。多彩な攻撃は見事だった(写真=矢島公彦)

 一方で、惜しくも初の優勝を逃した東山も堂々たる戦いを披露した。とりわけ多彩な攻撃には見応えがあった。

 ボランチ松橋は絶妙なスルーパスで攻撃の舵を取り、真田はパスを散らしつつ機を見た飛び出しで攻撃に厚みを加えた。右SBの石井と左SBの仲里は高精度のキックと大胆なオーバーラップでチームにダイナミズムをもたらし、北村と豊嶋の2トップは精力的に前線を動き回った。阪田と清水のサイドハーフも鋭い突破で相手の脅威となっていた。

 また守備では、新谷と志津のCBコンビが冷静なラインコントロールでチームを落ち着かせ、GKの佐藤は最後尾から声を張り上げ、味方を鼓舞し続けた。

 東山の福重良一監督は「2点目をとり急いでしまってボールロストが増えてしまった。そこを落ち着かせられれば良かった」と分析しつつ、「負けたことに関しては、私の責任。選手たちは日本一を目指して1試合1試合全力で戦ってくれましたし、今日も自分たちの力を出そうと胸を張って戦ってくれた」と労った。

(文・写真=多田哲平)

▽第101回全国高校サッカー選手権
第101回全国高校サッカー選手権