三度目の決勝で初優勝を果たしたC大阪U-15(写真=松尾祐希)
3度目の決勝で初優勝を果たしたC大阪。今大会を振り返れば、グループステージの初戦で決勝でも対戦した横浜FCに0-3で敗れるなど、最初から圧倒的な強さを示してきたわけでは決してない。さらにラウンド32ではここまで全試合に出場していたGKイシボウ拳(3年)が負傷交代し、コンディションの問題で大会を追うごとに起用できる選手も限られた。
だが、選手たちは一戦ごとに成長。金晃正監督も「本当に優勝できるとは考えていなかった。まだまだ子どもで、ユースの選手みたいに上手い選手ばかりではないので。でも、彼らは試合の中で自信を付けてくれたと思う」と振り返るほど、逞しさが増して一気に頂点へと上り詰めた。
今夏はU-18チームもクラブユース選手権で優勝を果たしており、兄弟でタイトルを掴む結果となった。昨季からC大阪で技術委員長を務める風間八宏氏のもと、育成組織では“止める”“蹴る”の技術向上や目を揃えることに注力。「最初は難しかった」と平山が話す通り、新たな思考をプレーで体現する作業は一筋縄ではいかなかったが、選手たちのプレーも徐々に変化していく。昨季の序盤はなかなか結果が伴わなかったが、今季はU-18とU-15で日本一を達成するなど、まいた種が少しずつ芽吹きつつある。U-15チームだけではなく、C大阪の育成組織がどのような進化を遂げていくのか。今後も選手たちの成長から目が離せない。
(文・写真=松尾祐希)
▽第37回日本クラブユースサッカー(U-15)選手権大会
第37回日本クラブユースサッカー(U-15)選手権大会