対する玉野光南の序盤は最終ラインからの組み立てにチャレンジしつつも、ピッチ内で選手同士が話し合い、相手の出方に応じてカウンターへと攻撃を切り替えた。最初に見せ場が訪れたのは前半22分。自陣でのボール奪取から、FW11鈴木大空(1年)が中央を運んで左に展開。MF8東和葉(2年)のタメから上がったFW18伊原快(2年)のクロスはGKに阻まれたが、こぼれ球を後方から駆け上がった守田が押し込み、玉野光南が先制した。

 後半に入ってからはこう着状態が続いたが、後半18分には鈴木が2枚目のイエローを貰って退場となり、玉野光南は10人での戦いを強いられた。ただ、GK1常藤至竜(2年)が「レッドが出た瞬間行けるかもと思った。10人でブロックを敷いて守れるのは、相手は嫌だろうと思っていた」と振り返った通り、県の新人大会から無失点を続ける守備には自信がある。

 「うちはこの大会が終わればプリンスリーグ開幕戦まで公式戦がない。鈴木が累積で開幕戦に出られないのは可哀そうなので、意地でも勝ちたかった」。そう口にするのは乙倉監督。勝って準決勝へと進めば、今大会で累積が消化し、鈴木がプリンス開幕戦に出られるのも選手の励みになったのは間違いない。

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▽第15回中国高等学校サッカー新人大会
第15回中国高等学校サッカー新人大会