関大北陽 vs 履正社(写真=会田健司)

 PK戦では両チームGKが1本ずつシュートをストップし3-3で5人目を迎えると、先攻の関大北陽が失敗したのに対し、履正社は成功。4-3でPK戦を制した履正社が大阪勢対決に勝利した。

 シュート数が相手の12本に対し4本と3倍のシュートを打たれながら勝ち切った履正社。「去年のテーマは"奪う"でしたが、今年は"先手必勝"」と話したのは上原岳大監督代行。その言葉通り、先制点を奪うことで試合を有利に進め、相手が前に出てきたところで裏を取る。退場者を出したことで失点し同点に追いつかれたが、「状況に応じたサッカーをする。普段の練習からそこはやっているので」とバタつくことなく対応し。ベンチが俊足のFW19長谷怜(2年)を投入すると、ピッチの選手たちはその意図を察し、長いボールでFW長谷を走らせ、リスクを回避しPK戦に持ち込んだ。

 それでも上原監督代行は「もう少し中盤を厚くしたい。監督もよく言っている『相手がグーを出して来たらパー』というところで、ショートカウンターの方向が1個だけで、それを相手に狙われた時に方向を変える判断がまだ出来ていない」と中盤での駆け引きの部分ではまだまだ改善が必要と話す。

 新チームになってから練習試合でもまだ負けていないという履正社だが、上原監督代行は「決め切るところは良かったですが、守備のところが。。。走れる子はいるので、相手のやることを予測できる視野がもっとないと」と守備の面を危惧。履正社が戦うのは高校年代最高峰のプレミアリーグ。それだけに「これが鳥栖だったらやられている」と、負けていないことで自信を掴んでいる選手たちに危機感を持ってほしいとコメントした。

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▽第75回近畿高等学校サッカー選手権大会
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