サンフレッチェ広島F.Cユースが先制(写真=矢島公彦)

 後半に入ってもポゼッションでゲームの主導権を握った広島ユースが、最終ラインから丁寧に攻撃を組み立て、横パスと縦パスを的確に使い分けながら敵の守備網にズレを生み出す。すると49分、中盤に穴を見つけたMF8中島洋太朗(2年)がクサビのボールを引き出し、鋭いターンから左サイドへスルーパスを供給。抜け出したFW中川が打ったシュートは相手GKに弾かれたが、MF7鳥井禅音(3年)がセカンドボールをつなぎ、最後はゴール前でFW19井上愛簾(2年)が押し込んだ。

 先制点を奪った広島ユースは勢いが増し、攻撃では左サイドでFW中川が果敢に仕掛ければ、守備ではキャプテンのDF石原が1対1のディフェンスで青森山田のアタッカー陣を封殺。洗練された戦術で試合の流れを引き寄せた好影響により、個々のパフォーマンスレベルが上向いた。

 1点ビハインドの青森山田は、58分にFW9津島巧(3年)、74分にMF16後藤礼智(3年)を投入。積極的に交代カードを切って反撃を試みたが、攻略策を見出せない。攻撃では崩しの糸口を探っている様子で、守備ではプレスがハマっていないシーンも散見された。

 それでも青森山田は、広島ユースの足が止まり始めた終盤に攻勢を強め、190センチのDF5小泉佳絃(3年)を最前線に上げてパワープレーに出る。そして82分、そのDF小泉がチャンスを掴んだものの、シュートは枠外に外れた。直後の84分にMF10芝田玲(3年)が打ったヘッドは、クロスバー直撃で得点とはならなかった。

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