海星の選手の頭には先制しながら、後半の失点で引き分けに終わった開幕の清水ユース戦が浮かんだかもしれないが、同じ轍は二度踏まない。再リードの可能性を信じて最後まで戦い続けると、42分には二度目の決定機が訪れた。内田のゴールキックを一見が競り勝つと、こぼれ球を拾ったMF23河合航汰(3年)がゴール前に配球。走り込んだ山口がゴールネットを揺らし、勝ち越しに成功するとそのまま逃げ切り。海星が嬉しい今季初勝利を掴んだ。

 今年の海星は昨年から主力を務める選手が半数近く残る楽しみな代。12年ぶりのプリンスは今後も厳しい戦いが予想されるが、選手の成長を後押しするのは間違いない。「プリンスではプレミアなんて思っていないので、残留を掴みたい。一つひとつ決勝みたいな感じなので、逞しくなっていってくれたら良い。そして、最終的には選手権に出たい」(青栁監督)。この日の戦いぶりを見れば、指揮官が描くビジョンが実現しても不思議ではない。

(文・写真=森田将義)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2023 東海
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