九州国際大付 vs 鹿児島城西(写真=中倉一志)

 この試合で自分たちの戦い方を徹底していたのは鹿児島城西だった。その戦い方はロングボール、あるいは浮き球のパスで相手の背後に徹底してボールを集めるというもの。時折吹く強い横風はハイボールのコントロールと処理を難しくしていたが、それでも鹿児島城西はその戦い方に徹した。後方からビルドアップして前へ進もうとする九国大付に対して、セカンドボールに激しくプレッシャーをかけてボールを蹴らせ、そのボールを再び相手の背後へ送り込む。当然のように球際では両チームが激しくぶつかり合いボールが落ち着かない展開で試合は進む。どちらのペースとも言えない展開ではあったが、九国大付にサッカーをさせないという意味では、間違いなく鹿児島城西は目的を果たしていた。

 早い時間帯に先制点を奪えたのも、その戦い方を徹底できた理由の一つだろう。どちらかと言えば、立ち上がりの時間帯は九国大付がやや優勢のように感じられていたが、鹿児島城西は15分、最初のチャンスとなったCKに芹生海翔(3年)が合わせてゴールネットを揺らした。九国大付にとってみれば同点、逆転にする時間は十分にあったが、改めて振り返ればこの1点が勝負を決した。

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