西原イレブン(写真=仲本兼進)

 今大会を通じて初めて失点した西原だったが、直後のハーフタイムの雰囲気は「悪くなかった」と久高宗馬主将。続けて「ネガティブにならなかったし負けているわけでもない。むしろ後半の入りからどんどん前に行って絶対に勝ち越すぞ」と団結心が一層高まったと話す。

 一方、追いついた宜野湾は「(前半)流れが明らかに良くなくて、ファーストプレーでやられているから後半改善して気持ちで負けないようにしよう」(速水)と声を揃えたという。

 互いに次の1点が大きく流れを傾けられる絶好の機会であるということを意識していた中、先に実践したのは西原だった。後半16分、左サイドへ流れたボランチの齋藤博斗が前線へグラウンダーの縦パスに反応したFW岡野舜は「一度バックステップを踏んでタイミングを計った」ことで宜野湾のオフサイドラインをギリギリで突破。左からカットインでPAへ進入すると冷静に沈め、西原が勝ち越しに成功する。

 この1点を呼び水にさらに攻勢を強める西原は、マークされていたエース・比嘉にどんどんとボールが渡ると、「気合入れて臨んだ大会。絶対に形にする」と大会前に長髪を五厘刈りに変えた比嘉に何度もシュートチャンスが訪れる。そこでなかなか決めきれられずにいたが、後半アディショナルタイム突入直後の35+1分。DF米村海のインターセプトから西原が素早くカウンターに移ると、空いたスペースを上手く使いながら比嘉がドリブルで進入。GKのダイビングをかわしゴールを奪った。

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▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)沖縄予選
令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)沖縄予選