成城学園 vs 大成(写真=矢島公彦)
後半に入ると成城学園は、大差をつけられても諦めない姿勢を見せて反撃。最終ラインからビルドアップして敵陣に侵入し、ボールを失っても素早い攻守の切り替えで即時奪回。それでも最終局面では、相手の堅守に阻まれた。
すると大成が徐々に試合の流れを引き戻し、54分に追加点を奪う。左サイドをドリブル突破したDF14水谷良吾(1年)がグラウンダーのクロスを上げると、2列目から駆け上がったMF8佐藤マイク将史(3年)が正確なショットでネットを揺らした。
点差を広げられても、成城のファイティングスピリットは消えない。失点直後の55分にFW10大川知希(3年)が、60分にはFW副島がチャンスを掴む。どちらもシュートを決めきれなかったが、点を取り返す気持ちが垣間見える好プレーだった。
それでも守備が安定している大成は成城学園にゴールを許さず、終盤に4ゴールを追加して10-1で大勝。豊島裕介監督は「試合の入りのところで緊張感を持って入ってくれたのが良かった」とゲームを振り返り、「改めてチャレンジャーの気持ちで、泥臭くても勝ちに行きたい」と述べて準々決勝に意気込んだ。
一方の成城学園は大量失点を喫したとはいえ、守りに徹するばかりではなくボール奪取後の鋭いカウンターが好印象だった。とりわけ前線に張ったFW副島とFW大川は速攻時の反応が早く、局面を打開する個の力でも相手DFに引けを取らないパフォーマンスを披露。貫いた攻撃姿勢は、敗れても記憶に残るプレーだった。
(文=志水麗鑑)
▽第102回全国高校サッカー選手権東京予選
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