聖望学園 vs 浦和南(写真=河野正)

 今大会初得点の伊田は「試合への入り方が良かったし、序盤に点を取れたことで勢いづきました。PKはちょっとだけ緊張しました」と笑顔を見せながら快勝を振り返った。

 聖望学園はやや硬くなっていたのか、本来のリズムでボールを動かせず、マイボールにしてパスをつなごうとしても浦和南の厳しい寄せにつぶされてしまった。1年生からレギュラーで攻撃のかじを取る主将のMF市原憐(3年)から好展開できず、前半はシュートを1本も打てなかった。

 浦和南は3-0でキックオフされた後半も攻勢に出た。6分、SB伴美寿希(3年)が頭で石川につなぐと、ペナルティーエリア手前の右45度付近から逆サイドのネットに豪快な一撃を突き刺した。

 

 さらにこの1分後、伊田の右クロスを石川が遠いポストからヘディングシュートを決めて5点目。これで勝負をつけた。

 

 伊田と同じく今大会初ゴールを挙げた石川は、初めて1トップで起用された。「前半でつぶれてもいいから前からプレスを掛けるのが役目でした」と話し、指導陣からは「キーパー以外には(長いボールを)蹴らせるな。相手には絶対に何もさせるな」という指示が出ていたそうだが、フォアチェックばかりか駄目押しとなる4、5点目までものにしたのだから任務以上の仕事をした。

 

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