70分間のゲーム内容で言えば、思惑通りだったかもしれない。相手はプレミアリーグに所属する格上で、テクニックに長けた選手が多いため、一瞬でも隙を与えると失点のリスクが高まる。「中盤をとにかく圧縮して、相手に自由を与えず、やりたいことをやらせない」(福重良一監督)ことが東山の狙いで、布陣をコンパクトに保ちながら、相手の攻撃の起点である両SBにプレッシャーをかけ続ける。

 ボールを奪ったら、素早く高い位置にボールを付けて左のMF13井上慧(3年)と右の辻がサイドアタックを披露。相手がタッチラインに出せば、怪我から復帰したDF7沖村大也(3年)のロングスロー、エンドラインに出せばDF5中山和奏(3年)のCKからゴールを狙った。セカンドボールに対する中盤の出足も鋭く、前半4分には沖村の連続でのロングスローがこぼれたところをMF8善積甲知(2年)が狙ったが、シュートは枠の上を逸れた。

 続く9分には右サイドでのスローインを後方に下げ、辻がゴール前にクロス。ゴール前のこぼれ球からDF3上山泰智(2年)がシュートを放ったが、得点には至らない。25分にはエースの山下が負傷交代するアクシデントもあったが、動揺することなく試合を進めると26分には右サイドで受けた沖村がゴール前にパスを展開。受けた井上がスムーズなターンからペナルティエリア内の左に流れると、ゴール右隅に流し込んで先制した。

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▽令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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