横浜創英 vs 横浜隼人(写真=K,Nishiyama)

 また1年生ながらFKを任され、2点目に関与したMF22 鈴木快(1年)は「相手は気持ちが入っていて球際が強かった印象があります。ただ僕たちは前に蹴るサッカーではなく、ひとつひとつ、つなぐサッカー。序盤は難しかったですが、動きはだいぶ良くなりました」と語った。

 焦れず。慌てず。なによりブレず。自分たちのサッカーを続けた横浜創英。

 「選手たちはさまざま経験しているのでタフさ、諦めない気持ち、ひたむきさ、団結力など数値化できない能力があります」と宮澤監督が胸を張るのも理解できる。

 そのチームにあって、欠かせないのが主将のFW11川上。筋肉系のケガで約2ヶ月間、離脱したが、先週、試合に復帰したばかり。それでも「ピッチで背中を見せられる選手。先頭になってチームを引っ張れる選手」と指揮官からの信頼は変わらない。「後半開始前、イレブン全員に「平常心でやろう」と伝えました。しかし選手権という舞台、引退のかかった試合、平常心を保とうとしましたが、終盤までなかなか自分たちの形が見せられませんでした。同点にさえ追いつけば、行けると思っていましたし、実際、『いけるぞ』と確信しました(FW11 川上)」そのFW11川上、宮澤監督によれば、成績は学年トップクラス。生活態度は「僕が感心するくらい良いですし、大人が見てもきちんとしている生徒」というほど。イレブンが自然と集まる光景にFW11 川上の人柄がうかがえた。必然の逆転勝利を遂げた横浜創英は今月26日、準々決勝で相模原弥栄と対戦する。

(文・写真=佐藤亮太)

▽第103回全国高校サッカー選手権神奈川予選
第103回全国高校サッカー選手権神奈川予選