京都共栄イレブン
敗れた京都共栄はPK戦でつかみかけた勝利をものにすることができず、ベスト4敗退となった。試合後、上野道裕コーチは「前半は向かい風の中でもチームでまとまって狙い通りの戦いができましたが、後半は相手のセットプレーが増えた中で東山の力強さや勝負強さ、苦しい展開でも自分たちの流れに持ち込める強さを感じてしまいました」と話している。攻撃でいい形まで持ち込めず、セカンドボールの争いでも優勢に立てず、相手にセットプレーやロングスローへ持ち込まれる場面が増えてしまった。
それでもゴール前で見せた守備の強度や集中力はさすがだった。クロス対応への準備、マークや競り合いなどをしっかりと遂行し続けてPK戦まで持ち込み、決勝進出まであと一歩まで迫っている。
キャプテンのDF大野洋翔(3年)は「守備の時間が長かったけれど、プリンスリーグで強い相手にも耐える戦いをしてきました。そこは80分間、やれたと思います」と振り返っている。プリンスリーグでは耐え切れずに失点を繰り返す試合が多かったが、この試合では「身体を投げ出して守る、相手の正面に立ってシュートを防ぐ」ことを徹底し、無失点でPK戦へ持ち込んだ。サイド攻撃やセットプレーの機会が少なかった攻撃面では良さを出せなかったが、苦しみながらも積み重ねてきた成果がピッチに現れた試合だった。
選手権は終わったが、まだAチームが参加するプリンスリーグ関西1部や、Bチームが参加する京都府1部リーグの試合が残っている。昨季から今季にかけて全てのカテゴリーで昇格を成し遂げており、今季はより高いレベルで苦しんではいるが、選手やスタッフにとっては貴重な戦いの場となっている。Aチームは残り3試合、Bチームは残り4試合、残留をつかみとるための戦いへ挑む。
(文・写真=雨堤俊祐)
▽第103回全国高校サッカー選手権京都予選
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