その前半7分、前橋育英が決勝点をものにした。攻撃参加した瀧口が柴野からボールを預かると、佐藤とパス交換してゴール前に進出し、右足で豪快に蹴り込んだ。

 その3分後には、石井の放り込んだ左FKのこぼれ球をオノノジュが素早く拾って、左足でゴール右隅に突き刺す。後半6分にも途中出場のFW大岡航未(2年)が、オノノジュの最終パスから3点目をゲットして勝利を決定づけた。

 前橋育英が延長にもつれ込んだ持久戦を3-0で制し、総体予選で敗れた雪辱を果たした。

 山田耕介監督は「共愛学園はロングスローにCK、FKをはじめ、こぼれ球を拾ったらサイドからどんどんクロスを入れてきた。鍛えられていたし、やることが徹底していました」と相手を思いやると、「なかなか取れなかったが、互いに疲弊している中、延長でよく決めてくれました」とファイトした選手を褒めた。

 総体予選の再現と悲願の初優勝こそ逃したが、共愛学園の戦いぶりも見事だった。創部から指導し、就任23年目の奈良章弘監督は「チームに一体感があり、プラン通り自信を持って戦ってくれました。これからも選手権に“行けたらいいな”ではなく、“行くんだ”という強い気持ちでチームをつくっていきます」と捲土重来を誓った。     

(文・写真=河野正)

▽第103回全国高校サッカー選手権群馬予選
第103回全国高校サッカー選手権群馬予選