前半、無失点でしのげたのは偶然ではない。練習のおかげ。大会前にいくつかの強豪校とトレーニングマッチを行い、集中的に守備を強化。ほとんどボールを持たせてもらえず、耐え続ける試合を経験。一種の心理的な免疫、耐性ができていたといえる。一方的な展開に冨名腰政史監督は心配したのだろう、ハーフタイムの際、イレブンに「苦しい試合か?」と問うと選手からは「楽しいです」と意外な答えが返ってきた。冨名腰監督は驚きとともに選手たちの成長を感じたそうだ。

惜しくも敗れた湘南イレブン

 前半の大きな山を越えた鎌倉学園は後半、中盤がコンパクトとなり、セカンドボールの回収と狙いであるサイド攻撃が多くなった。また前線で起点となったFW9平野修三(2年)の献身的なプレーが印象に残る。「後半はセンターバックの裏を狙って起点になるという共通認識がありました。いい感じに攻めることができました」とイメージ通りのプレーができたようだ。1‐0の辛勝ながら、鎌倉学園は攻守両面で特長を出せた内容と言える。

(文・写真=佐藤亮太)

▽令和6年度神奈川新人戦(新人選手権大会)
令和6年度神奈川新人戦(新人選手権大会)