後半を迎えても武南のペースに変わりはなかった。前半途中の左SB滝沢大輔(3年)の負傷に伴い、八百川が左SBに移動し、右2列目に入った関口海龍(3年)が得意のドリブルで進入。有川や小山も絡んでどん欲に得点を狙った。アプローチまでは良質の形で進んだが、シュート精度を欠いたことなどで加点できないでいた。だが2点目を失ってから3分後の34分に渡辺が決めると、追加タイムには渡辺が関口のスルーパスに反応し、GKもかわして7点目を流し込んだ。

 聖望学園は後半開始から前住渚有2年)を投入し、小比賀渓太(3年)との2トップを形成して反撃を試みた。8分にはその前住が左から強シュートを放ったがDFにクリアされ、その後は大きなチャンスを構築できなかった。それでも31分、小比賀の左クロスから前住が決めて2点目を奪ったが、点差を詰めるには時間が足りず、直後の2失点で万事休した。

 7-2の大勝にさぞかしご満悦かと思ったら、武南の内野慎一郎監督は対極の心境だった。「前半で5点も入ると気が緩くなるものですが、大量点の時こそ締めないといけない。簡単に失点した後半の2点目には怒りを覚えました」と、ひどくお冠だったのだ。

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▽令和7年関東高校サッカー大会埼玉予選
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