再びリードを許した湘南工大附も『神奈川一ボールが回るサッカー』で反撃を試みるが、「うちの良さ、人の距離だったり、人の距離の中のコンビネーション、連携っていうところで受け手と出し手のところで見えてるものがお互い共有できてなくて、攻撃が単調になってしまった」と中嶋昂平監督が悔やんだように思うようにボールが繋がらず、また横浜創学館の鋭い出足に寸断されてしまう。

 一方でリードした横浜創学館も時間の経過と共に上昇する気温に体力との勝負も加わり、奪っても奪い返される展開が続く。ベンチからは「ラスト15分、もっと楽しめ!」「ラスト4分、ここからが大事だ!」といった檜山監督の声が飛ぶ。キャプテンのMF10吉武蓮は「先生が声を送ってくれることで自分たち(の士気)も上がった。聞こえてない選手もいて、全然落ち着けてない選手もいたと思うので、そこは自分からみんなに伝えた」ことでチームの集中を保ち終盤へ。しかし提示されたアディショナルタイムは4分。荒井は「結構長かった。もう早く終わって欲しいっていう気持ちがいっぱいだった」と感じた一方で、DF4白鳥翔空は「守ってしまうとやられるから前はFW陣に任せて、自分たちはとにかく守りに集中した」と最後の踏ん張りを見せ、歓喜のホイッスルを耳にした。

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▽令和7年関東高校サッカー大会神奈川予選
令和7年関東高校サッカー大会神奈川予選