スコアだけ見れば横浜商科大高の完勝試合。しかし前半立ち上がり、元石川の退場がゲームを難しくした。

 主将のFP3玉木琉生は「(元石川が)10人になってから、やることがはっきりしていました。走らなければならない。球際も強くなりました。(球際について)味方には細かくいいましたが、相手の方が気持ちでまさっていました」と話すように、元石川のプレーは研ぎ澄まされていた。

 10人とはいえ、元石川は最終ラインを果敢に押し上げつつ、DF2原田駿、DF5中村睦、代わって起用されたDF19田近悠翔の3バックが横浜商科大高のカウンターを速いチェックで封殺。GK1松野聖大のファインセーブも光った。

 攻撃ではMF10小林慎吾が起点となり、前線に託した。元石川はラインを押し上げ、戻って、跳ね返して、さらに押し上げる。前半はこの繰り返しだった。上下運動の激しさに「こんなに走ったら、もたなくなる」と吐露する選手がいるほど。それでも元石川はハードワークし続けた。

 元石川の執念にも似た戦いに横浜商科大高は優位性を生かせずにいた。

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▽第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選
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