日大藤沢MF7中村龍剛(写真=K,Nishiyama)

 キャプテンの橋本は「押される時間もあったけど、全員で集中して守れた。誰が出ても日藤サッカーができるように準備してきた」と胸を張る。総体で敗れたあの日から積み重ねた競争と一体感。それがこの80分に凝縮されていた。2年生ながら冷静さを武器に中盤をコントロールしフル出場を果たしたボランチの中村も「父から”しっかり決めてこい”と言われていた。優勝できたことが嬉しい」と笑顔を見せた。

 佐藤監督は、試合後に安堵の表情を浮かべながら「有川の復帰は奇跡。でも奇跡を呼んだのは、選手たちが積み重ねた努力と信頼です。誰が出てもチームが同じ方向を向けたからこそ、この1点が生まれた」と締めくくった。

 令和7年関東高校サッカー大会神奈川予選、インターハイ予選はともに準々決勝敗退と結果を残すことができなかった日大藤沢が2年ぶりに神奈川の頂点へ上り詰め全国への扉を開いた。全国大会は今年も12月28日に国立競技場で幕を開ける。

     

(文・写真=西山和広)

▽第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選
第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選