さらに拓大紅陵は後半29分と37分に途中出場のFW15佐下橋好誠(3年)が決定機を掴んだが、どちらも仕留め切れない。スコアレスで突入した延長戦でも、再三のチャンスを逃してしまう。
迎えたPK戦、ヒーローになったのは千葉敬愛のGK12佐川陽向(3年)だ。互いに3巡目まで全員成功、4巡目で先行の拓大紅陵がネットを揺らし、後攻のチームメイトが失敗で明暗が分かれる。そして運命の5巡目、この守護神がビッグセーブで勝利の望みをつなぐと、6人目のキッカーのシュートも止めて大きな歓喜を呼び込んだのだ。
耐えに耐えた千葉敬愛が、PK戦の末に拓大紅陵を下して3回戦に進出。感動をもたらす激闘となったのは、勝者の執念に加えて、どんな展開でもパスサッカーを最後まで貫いた拓大紅陵の奮闘もあったからこそ。高校サッカーの集大成となる選手権で、両チームの努力の結晶が詰まったビューティフルゲームだった。
(文・写真=志水麗鑑)
▽第104回全国高校サッカー選手権千葉予選
第104回全国高校サッカー選手権千葉予選

