札幌光星GK渡辺悠太

 前半に続き、押し気味に試合を進める札幌光星が一転ピンチに陥ったのは、後半25分だった。カウンターで札幌光星陣内に抜け出し、GK渡辺と1対1になった旭川実の選手を、DF長利悠大(3年)が背後からつかみ倒したとしてレッドカードで一発退場。10対11と数的不利になった。札幌光星の武藤渉監督は、攻撃の継続を指示しながらもPK戦を視野に入れ、3人目の交代で守備に定評のあるMF小田流生(2年)をピッチに送り出し、戦況を見つめた。

 1人少なくなった札幌光星を旭川実も最後まで攻めきれず、試合はそのままタイムアップ。0-0でPK戦に持ち込まれた。両チーム4人目まで成功したが、先攻・旭川実の5人目のシュートをGK渡辺が左に飛んでセーブ。後攻・札幌光星の5人目のキッカーFW臼渕統稀(3年)が落ち着いて決め、準決勝進出チームが決まった。「最後は少しだけ運があったのかもしれません」と、GK渡辺は、その場に崩れ落ちた相手GKの気持ちを思いやるように、静かに言った。

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▽第104回全国高校サッカー選手権北海道予選
第104回全国高校サッカー選手権北海道予選