そして47分、FW10吉成奏が中央で右足を振り抜き、ネットを揺らした。これで3-1。結果としては快勝に見えるが、指揮官も選手たちも「満足」にはほど遠い表情を見せた。

 キャプテンの村上は冷静に語る。

「前半2点取れたのは良かったですけど、引いてブロック作ってくる相手に対してショートパスで崩すっていう自分たちのスタイルが出せなかった。パスやトラップのズレが多くて、テンポがずれた。今日は余裕があった分、緊張感を保てなかったのが課題です」

 スコアは動かした。だが、心はまだ動かされていない。先制点の秋山もまた、自らに厳しい。

「後半は気持ちが落ちてしまった。チームとして攻撃の厚みが足りなかったのが課題。磐東は強度が高い相手なので、この雰囲気のままだと絶対戦えない。自分からまず奮い立たせていきたい」

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▽第104回全国高校サッカー選手権静岡予選
第104回全国高校サッカー選手権静岡予選