「勝って次にチャレンジする機会を得た。それが今日の収穫です。次の磐田東戦は、やられに行くようなメンタリティーじゃ絶対勝てない。どう戦うか、どう楽しむか。その準備を1週間で作らないと」と鈴木監督はそう締めくくった。
この日、ピッチに立った選手たちが見せたのは、完成ではなく途上の姿。精度を欠いたパスの先に、なお続いていく“自分たちのサッカー”への模索がある。
次の相手は磐田東。シード校であり、県内屈指の強豪だ。秋山は言った。「ベスト16が目標。そのための山が磐東戦」。その山を越えるために、彼らはもう一度、自分たちの中にある“我”を取り戻さなければならない。
雨に濡れた飛龍のピッチでつかんだ勝利は、単なる通過点ではない。桐陽が「主導する」だけでなく、「支配する」チームになるための、痛みを伴う学びの80分だった。
(文・写真=西山和広)
▽第104回全国高校サッカー選手権静岡予選
第104回全国高校サッカー選手権静岡予選

