その言葉通りに吉川は、後半開始早々の先制点を演出する。右CKを得た奈良育英。ボールを丁寧にセットした吉川が放ったボールはゴールをやや越えてファーサイドへ。そこに飛び込んだ179センチのMF西村優士(3年)が打点の高いヘッドで豪快に叩き込んだ。吉川は「ミスをしないように1回1回集中して蹴ったらアシストに繋がった」と声を弾ませた。

 追加点も吉川の右足から。後半6分、今度は左CKを獲得すると、吉川の蹴ったボールは、ニアサイドへ。DF内藤奏(3年)が頭で合わせて待望の追加点をあげた。2点リードした奈良育英だが、攻撃の手を緩めず14分にはゴール前の混戦から堀が振りむきざまに決めて3点目をあげる。五條も田中の右サイドからのFKをMF高橋顕(3年)が合わせて1点を返すが、反撃はそこまで。奈良育英が5年連続の決勝の舞台へ駒を進めた。

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▽第104回全国高校サッカー選手権奈良予選
第104回全国高校サッカー選手権奈良予選