県内では王者としてマークされる立場の奈良育英。ゴール前に人数をかけて守られることも多い中、セットプレーは大きな武器となっている。準々決勝の橿原戦でも吉川のCKから西村が折り返すパターンで2得点をあげて勝利した。梶村監督はセットプレーについて「今年のチームはサイズ的に大きい選手が多くいるのでそこは強みだと思う」と語ると、吉川も「(DFだけど)中学校の時からキックの練習をしてきた。キックには自信を持っている」とプライドを覗かせる。
一方で流れの中からの得点は課題だ。「セットプレーは1つの武器としているが、やはり流れの中で点を取りたかった。相手を見ながら、マイボールの時間を多くして、チャンスを作るというのを(決勝までの)1週間でやっていきたい」と梶村監督も反省点を口にした。吉川は「メンバーに入れていないチームメイトの分も、自分たちが責任を持って優勝に導きます」と言い切る。死角も慢心もない…王者は冷静に5年連続の頂を目指す。
(文・写真=梅本タツヤ)
▽第104回全国高校サッカー選手権奈良予選
第104回全国高校サッカー選手権奈良予選

