これで追い込まれた帝京大可児は青木を中心に相手ゴールに迫る。しかし、決定機をつくりながらもゴールを奪えず。逆に興國はキャプテンのGK1岩瀬颯(3年)を中心に守備陣が粘り強くゴールを守る。そしてアディショナルタイム3分も耐え抜くと、選手権初勝利を告げるホイッスルがスタジアムに響いた。

 2020年に初出場を果たした際は初戦で昌平に圧倒され、0-2の敗戦。昨年はインターハイでも全国大会に初めて出場し、静岡学園に先制したまでは良かったがその後は防戦一方で、そのまま逆転を許し初戦敗退。過去2回の全国大会では力を出し切れないまま大会を去っていた興國。それだけにこのゲームでは全国の舞台で初勝利を飾っただけでなく、自分たちのサッカーを披露できたという意味でも大きな一歩を踏み出した。

 勝利した興國は2回戦に進出。31日に味の素フィールド西が丘で浜松開誠館(静岡)と激突する。

(文・写真=会田健司)

▽第104回全国高校サッカー選手権
第104回全国高校サッカー選手権