都立美原 vs 穎明館

 その要因をボランチMF8小野は相手のゴールキックをマイボールにできたことを挙げた。空中戦に強いMF8小野はできるだけ味方につなげるべく意識してプレーしている。加えて選手同士の距離感が良かったことで、たとえ相手に奪われてもセカンドボールを回収しやすい状況を崩さなかったことも主導権を握り続けた理由だ。

 ほぼ完ぺきな試合運びだが、やはり追加点が欲しかった。FW11菊原とともに攻撃をけん引したMF7萩原は「後半、特にチャンスがあったので決め切りかたった。流れの良いうちに2点目を決めたかった」と反省を口にした。

 島田監督によれば2次予選進出はここ10年、無いとのこと。何度かブロック決勝に勝ち上がったことはあったが、ついに厚い壁を突き破った。

 試合前「中盤はとにかく泥臭く。魂で戦おう」と心に決めていた主将MF16伊藤。インターハイ終了後、サッカーをやめようかと悩んだそうだ。しかし選手権予選に向け、ふたたび闘志がわいた。

 「最後の選手権で結果が出た事はあとに続くキャプテンたちにも自慢ができますし誇れること」と胸を張ったMF16伊藤。実は背番号「16」には思いが込められている。中盤で貪欲にボールを奪うプレースタイルを持つFC町田ゼルビアMF16前寛之にあやかってのもの。「大好きな選手」と無邪気に答えたMF16伊藤の表情からは達成感と充実感がにじみ出ていた。

(文・写真=佐藤亮太)

▽第105回全国高校サッカー選手権東京予選1次予選
第105回全国高校サッカー選手権東京予選1次予選