後半、正智深谷も人数をかけ攻撃を仕掛ける。4分、相手SBの裏にでたボールを6番MF今岡マックスが拾いPA内へ。寄せてくるDFを2、3人とかわしGKと1対1。角度のないところからチップで浮かせたボールはGKが何とかはじき出す。7分には昌平がセットプレーでチャンス。中央遠目FKはキッカー7番針谷の枠をとらえるもGKキャッチ。9分にも昌平。この試合最初のビッグチャンス。正智深谷の自陣ボール回しを14番MF山下が高い位置でボールを奪いゴールに向かってドリブル。DF引き付けて、左を走っていた9番本間へ繋ぐ。PA内左足でコントロール、シュートを放つ。入ったかに思われたが飛び出してきた1番GK戸田海斗が左手1本で信じられないファインセーブ。
ピンチを凌いだ正智深谷は12分、右サイドからの遠目FKを9番玉城裕大が中央へ放り込むと合わせたのは交代でピッチに入った12番田島帆貴。飛び出してきたGKより先に頭で触ったボールはそのままゴールネットを揺らし先制点をもたらした。
何が何でも追いつきたい昌平は選手交代、ポジション変更で変化を付けゴールに迫るが正智深谷の気迫の籠ったDFにゴール前までボールを運ばせてもらえない。正智深谷も守り一辺倒にならず、奪ったボールを素早く前線へ送り相手DFに隙を与えない。無情にも時間は刻刻と経過し、スコアは動かぬまま試合終了のホイッスルが鳴り響く。今年度、埼玉県のみならず日本中に強烈なインパクトを与えた昌平はここで敗退。準決勝を制した正智深谷が初の連覇に向けて11月20日に埼玉スタジアムで浦和南との決勝に臨む。
(文・写真 佐々木竜太)