立ち上がりは、互いに主導権を狙い中盤で激しい攻防を見せた。大阪桐蔭は中盤から相手の裏に長いボールを入れ、新潟明訓はショートパスとドリブル組み合わせながら攻撃を仕掛けるスタイル。両チームとも良さを出そうとするものの、暑さの影響からかボールロストが目立つ展開となった。
苦しい試合となった中で、先に試合を動かしたのは大阪桐蔭だった。前半14分、GK上田人志のパントキックを起点にFW田村浩都がMF清水大輝にショートパスを送る。ボールを受けたMF清水大輝は多少の距離を諸共せずミドルシュートを選択。思い切り良く放たれた一撃は、相手DFにあたりながらもネットに突き刺さった。
貴重な先制点を奪ってからは、新潟明訓のドリブルを主体として攻撃に大阪桐蔭は苦しめられる。アタッキングサードでファールを犯す場面も多く、危険な場面が続いた。同26分の場面では、主将MF加藤潤のFKがゴール前で合わず事なきを得る。直後の同32分にはGK上田が前掛かりなポジションを取った隙を付かれ、MF渋木理にあわやゴールというロングシュートを放たれた。
後半に入っても大阪桐蔭の劣勢は続くが、守備陣が最後のところで奮闘。同22分には途中出場のFW木村風輝に裏へと抜け出された。GK上田もたまらず前に出るが、先に頭で触られボールは無人のゴールへ。しかし、DF實井理音がギリギリのところで弾き出し、この試合最大の危機を脱出する。試合終盤に入っても、大阪桐蔭が最後のところで高い集中力を発揮。苦しみながらも初戦突破を決めた。
「室内とピッチで温度差がかなりあったし、(全国大会を経験していない子が多く)気持ち的にプレッシャーを感じて身体が動かなかった。1回戦でこれを経験できたことは良かったと思う」と大阪桐蔭・永野悦次郎監督が振り返ったように、夏の暑さや全国大会初戦特有の緊張感が選手たちを苦しめた。過酷な状況下で勝利を収めた経験は2回戦に活きるはずだ。明日(4日)の旭川実業戦では、攻守にアグレッシブなスタイルを取り戻すことを期待したい。
(取材・文・写真 松尾祐希)