A1ブロックでは共に選手権の初戦を戦う貞静学園都立日比谷が激突。葛飾区総合スポーツセンター陸上競技場で行われたこの一戦、試合途中から降り始めた雨の影響で人工芝が水を含み、両チームの選手たちは滑りやすいピッチコンディションでのプレーを強いられた。

 4-4-2のフォーメーションを組んで13時のキックオフを迎えた両チーム。立ち上がり5分を見る限り一進一退の攻防が予想されたが、比較的早い時間帯にスコアが動いた。先制点を奪ったのは都立日比谷。2トップを組む相馬豪、金子直矢が積極的に前線を駆け回りボールを引き出していく中で迎えた7分、自陣からのロングボールに反応した高橋駿が右サイドを抜け出すと自ら狙い、ネットを揺らす。FWを中心とした前線の動きにより空いたDFラインの背後のスペースを上手く突いた形で先制点をもぎ取った。

 さらに続く8分には、またしてもロングボール1本で左サイドを抜け出した相馬がGKも交わし落ち着いて決めて追加点。立て続けに同じ形で作ったチャンスをゴールに結びつけ2点のリードを奪う。

 早々と喫した2失点。ロングボールの処理、対応のまずさから招いてしまったピンチを確実にモノにされる形で追う立場となった貞静学園は不安定な守備を露呈。また、攻め込まれる時間が続くと、4人のバックラインに中盤の選手も吸収され、全体的に下がってしまう。そのためボールを奪ってからのビルドアップでも遅れが目立つなど苦戦が続いたが、それでも1年生FW小林伶が孤軍奮闘。最前列からボールキープし、全体を押し上げる時間を作ろうという狙いが何度か見受けられた。

 2点のリードを得て主導権を握った都立日比谷は裏のスペースを突く動き出しでまたもゴールに迫ると24分、中央・古川真喜のスルーパスから金子が決めて3点目。攻撃の中心となる選手が揃ってゴールという結果を出し3対0と差を広げて前半を終えた。

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