▼2級審判員
3級審判員として経験を積み、所属する都道府県協会から推薦を受けると、2級への昇級試験を受けるため審判アセッサー(指導員)の指導のもと、約半年間担当試合の分析評価を受けることになる。その後、一定の技術を習得したものが最終的に筆記及び体力試験を実施する。合格をすると銀色のワッペンが支給され、地域リーグの試合を担当することができる。
2019年時点で、3.617人の審判員がこれに該当する。各地域大会やプリンスリーグなど、よりハイレベルな試合を支えている審判員たちである。
▼1級審判員
本資格制度の最上級審判員である。2級審判員として1年以上の経験を積み、地域協会推薦を受け、全3次からなる指定の昇級試験に合格すると金色のワッペンを支給され、JFAが主催する試合を担当することができる。国際的な活動も視野に入れ、語学能力も必要となってくる。
1級に関しては男性と女性でその資格が分かれており、2019年度時点で、男子1級審判員として227名、女子1級審判員として52名がこれに該当し、年末に行われる高校選手権全国大会や、我々の日常を彩るJリーグなどを支える審判員たちである。
▼国際審判員
1級審判員の中から特に優れた審判員は更なるフィールド拡大のため、代表戦やAFC大会、W杯など国際試合を担当することができる国際審判員として選定される。
2020年現在、男子主審として7名、副審として9名、女子主審として4名、副審として4名が任命されている。
▼プロフェッショナルレフェリー
意外と思う人もいるだろうが、Jリーグの試合であっても全ての審判員が審判活動だけを職としている訳ではない。それを実現したものが、通称PRと呼ばれる"プロフェッショナルレフェリー"である。彼らはプロの職としてレフェリーとしての活動を保証され、通常Jリーグ等の試合を担当し、また全国の審判界全体のレベル向上を目的として各種講習会等にも従事している。
2020年現在、男性の主審として10名、副審として3名がこれに登録されている。
2019年度時点で、274,544名の審判員が日本や世界中のサッカー文化を支えている。彼らは、時に批判にさらされ、苦境に立たされることもある。一方、選手からリスペクトされ、一緒にサッカーを作る仲間として大切な存在としてピッチに立っている。これを機に、一度黒子な彼らに注目してみてはどうだろう。
※本記事に掲載のある審判数はプロフェッショナルレフェリーを除き、2019年度4月付のJFA公表の数字に基づきます。
また、試験内容や取得にかかるまでの時間に関しては個人差や各都道府県協会で異なる場合があります。
(文=神戸駿宏)