(写真=森田将義)

6回に渡って開催したスクールでは、参加した子どもたちの笑顔が溢れる一方で、イベントを運営する難しさを痛感した。「とにかく難しいことだらけだった。子どもたちを集めるのもそうだし、親御さんとのやり取りもそう。スクール自体も未経験の子どもも参加してくれたので、サッカー経験者のどちらに合わすべきなのかも悩みました。もっと運営する大学生側の準備が必要だったと感じました」(矢野)。

 コロナ禍によって今年はまだスクール活動はできていないが、「誰からも応援されるチーム」になるための活動は動ける範囲で継続している。例えば、チームで行うYoutubeは過去の試合映像やプレー集を掲載するチームが多いが、京都橘大では多くのサッカー好きが楽しめるようにとタイリーグでプレーする南部健造選手や、スポーツコメンテーターの原大悟氏へのインタビュー動画を掲載。今後、就活に励む後輩たちの参考になればと大企業の人事担当者や会社経営者への取材も行った。「僕たちは人生経験が少ないので、発信できることは限られている。少しでも皆の役立つ活動がしたいと考えた際に、社会で活躍する人たちの言葉を僕らが代わりに聞こうと思った」(堤原)。今後はコロナ禍で苦しむ飲食店の手助けが少しでもできればと考え、選手が店へと足を運び、お勧めメニューをSNSで紹介する企画も進めている。学校生活と部活動の合間を縫っての活動であるため、多くの時間を割けない。思惑通りに物事が進むことは少なく失敗も多いが、HPへのアクセス数は少しずつ上昇している。内容や結果は兎も角、選手自らが考え行動に移す経験は必ずいつか活きてくる。歴史が浅いチームの成長と共に、選手個人の内面的な成長も楽しみなチームだ。

(文・写真=森田将義)

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