優勝を果たした桐光学園

 天才パサーの中村俊輔を擁しても、世代屈指の点取り屋・小川航基が前線に構えていても掴めなかった日本一の称号。インターハイ、選手権ともに準優勝止まりだった桐光学園が初の頂点に輝いた。

 終わってみれば、5試合で5得点・1失点。C大阪入団内定の西川潤が準々決勝と準決勝の終了間際に決勝点を挙げるなど3得点の活躍でエースの重責を果たした。守っても、2年生のGK北村公平、CB奈良坂巧が奮戦。6日間で5試合を戦う過密日程のため、チーム全体で思うように足が動かない場面もあったが、粘り強く戦って勝利を手繰り寄せた。

 では、“シルバーコレクター”だった桐光学園が優勝を成し遂げられたのか。シンプルに昨年の経験値が生かされていたからだろう。

 今年のチームは、昨年の準優勝メンバーが多い。GK北村、MF佐々木ムライヨセフ、中村洸太、FW西川が決勝に出場。出番こそなかったものの、ベンチ入りを果たした奈良坂もあと一歩で逃した悔しさを味わっている。彼らを中心に夏の戦い方を他のメンバーに伝え、最善の準備をどう行っていくか。その1点にフォーカスし、一体となって大会を挑んでいた。

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▽令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)