FW安藤望（旭川実業／3年）写真＝森田将義

FW安藤望（旭川実業／3年）
　下級生から主力を務める選手が最終学年を迎える今年の旭川実業は、チーム最高記録となる選手権ベスト4を本気で狙いに行く勝負の年だ。最終ラインから丁寧にボールを繋ぐテクニカルなスタイルでひと際目を惹くのが、ストライカーの安藤望。「パス、シュート、ドリブル全部できるのが自分で、自信を持っている。テンゴ（1.5列目）に入ってボールを受けて前を向けたら、自分の良さが出る」と胸を張る絶対的なエースと言える選手だ。

　日高山脈最南端・襟裳岬の近くにある様似町の出身である安藤は、中学までボランチとしてプレー。チームの絶対的な選手だったため、組み立てからフィニッシュまで一人で全てをこなさなければならなかった。「中学時代はボールを扱う技術ばかりに特化していたので、チーム戦術や細かい動きに苦戦した」が、コーチ陣のアドバイスによってサッカーの本質や戦術的な動きを学び、目覚ましい成長を遂げた。大きく変わったのはオフザボールでの動きだ。中学までは、ボールを持ってナンボの選手だったが、FWに転向した高校ではスペースへの動き出しも必要になる。いかに良い状態に持ち込めるか考え、相手と上手く駆け引きしながらプレーするようになったという。

　下級生ながら中心選手として期待された昨年は選手権出場とプレミアリーグへの昇格を逃し、悔しい想いをしたが、最終学年を迎えた今年は確かな手応えを感じている。成長した姿を多くの人に知らしめるためにも、今は全国大会での活躍しか考えていない。

(文・写真＝森田将義)