FW藤井琉馬(市立尼崎/3年)写真=森田将義

FW藤井琉馬(市立尼崎/3年)
 体育科を持つスポーツが盛んな市立尼崎高で近年、存在感を強めているのがサッカー部だ。「東の市立船橋、西の市立尼崎と呼ばれるようなチームを目指したい」と話す近藤照男監督の下、力をつけ、2017年度はインターハイに初出場。今年は歴史を切り開いた代を見て、入学を決めた実力者が多く、指揮官も「前のタレントは面白い。チャンスを作れる数は多い」と期待を寄せる。

 個性派揃いの攻撃陣の中でも、近藤監督が一目置くのがエースのFW藤井琉馬だ。力強いプレーが持ち味で、相手DFを物ともせず積極的にゴールに突き進む姿はストライカーとしてのセンスを感じさせる。まだ試合ごとの波が大きく課題も多いが、近藤監督は「伸びしろは凄くある。大学に行って一番伸びる選手だと思う」とこれからの飛躍に期待を寄せている。

 最終学年を迎えた今年はエースとしての自覚が増し、「チームが勝てるよう結果が出せる選手になりたい」と口にする。入学してからは全国の舞台に立てていないどころか、今年は1月に行われた新人戦の2回戦で敗退。「自分らの代はまったく結果を残せていない。練習試合で勝っている相手に負けたり、公式戦に弱い。選手権こそはしっかり勝って、良い舞台でプレーしたい」と話す通り、勝利に飢えている。憧れの先輩たちと同じように全国の舞台に立つためには、藤井のゴールが欠かせない。ここからゴールを量産し、チームに歓喜をもたらすつもりだ。

(文・写真=森田将義)