DF勝又大翔(富士市立/3年)写真=森田将義
DF勝又大翔(富士市立/3年)
富士市立高の持ち味は、徹底したドリブル練習で身につけた個人技だ。初めてプリンスリーグ東海に昇格した昨年度は名門校が集う静岡の選手権予選で決勝まで進出し、多くの注目を集めた。ドリブルとショートパスを判断良く使い分ける攻撃的なスタイルが目を惹くが、今年のチームの柱となるのはDFリーダーであるDF勝又大翔(3年)。昨年は、静岡国体選抜の一員として、8年ぶり21回目の優勝に貢献した選手だ。
元々は、東海大付属静岡翔洋中でプレーしていたが、「足元の技術が高いチームに入りたかった。一つ上の先輩から『富士市立はいいよ』と薦められたので入学を決めた」。入学した当初は、「みんな上手すぎてびっくりした」が、技巧派たちに揉まれながら足元の技術がアップ。技術に自信が持てるようになったことで、相手に身体を寄せられても簡単にはボールを奪われない。最終ラインから繰り出す持ち運びは富士市立が繰り出す攻撃のアクセントになっている。もちろん、守備能力も高く、上背は決して高くないが読みを活かしたカバーリングや対人の強さも魅力だ。
個人としては国体で全国の舞台を経験しているが、チームとしては未到達であるため、最後のチャンスである選手権への意気込みは強い。「昨年は準優勝しているので、今年は超えられるように頑張りたい」と口にする。静岡は清水東高、静岡学園高、藤枝東高の中部勢が強く、富士市立が位置する東部勢が選手権の舞台に立ったことがない。勝又の活躍によって、静岡の歴史を変えられるか注目だ。
(文・写真=森田将義)